2024年9月10日火曜日

Colin BassとVelvet Operaについて

Colin Bassのメジャーなバンド歴はThe Krisisに始まるものの、そこでの公式音源は無く、続いて加入したVelvet Operaにて1970年にリリースしたシングル盤 (She Keeps Giving Me These Feelings/There's a Hole In My Pocket)が記念すべきレコード・デビューとなりました。

このシングル盤は、Velvet Operaの2ndアルバムRide a Hustler's DreamがCD化された際にボーナス・トラックとして収録されましたが、The Strawbsのメンバーがいたバンドというくらいしか知識がない私的には食指が動かず、こちらのCDについては未購入のままとなっておりました。

ところが先般ネットを散策していて、Velvet OperaのAnthologyが2022年に発売されていたことを知り、発売元のCherry Red Recordsのサイトを覗いてみたのですが、なんと件のシングル盤2曲の他にBBC Radioで演奏したShe Keeps Giving Me These Feelingsが収録されているではないですか。もちろん即購入 !

まずは、付属のブックレットやらWikipediaで仕入れた情報で、ごくごく簡単にVelvet Operaをご紹介してみます。

前身のThe Five Proud Walkersからバンド名をElmer Gantry's Velvet Operaに変更した際のメンバーは、 Colin Forster (ギター), Richard Hudson (ドラム), Elmer Gantry (ボーカル),  John Ford (ベース)でして、このメンツでセルフ・タイトルの1stを1968年にリリースします。

こちらのアルバムですが、サイケですがポップ・センスあふれるなかなか面白い作品です。

その後、主要メンバーであったColin ForsterとElmer Gantryが脱退するも、ギターに名手Johnny JoyceとPaul Brettを迎えて、フォーク・ロックに路線変更、バンド名もVelvet Operaとして、1969年に2ndアルバムRide a Hustler's Dreamをリリースしますが、バンドは程なく瓦解することに..

ところが、オリジナル・メンバーであったColin Forsterが、かつてバンド・メイトであった Dave MacTavish (ボーカル)に、 Mick Fincher (ドラム)とColin Bass (ベース)を加えて、Velvet Operaとして、1970年11月に件のシングル盤 (She Keeps Giving Me These Feelings/There's a Hole In My Pocket)をリリースします。ちなみに、こちらの新Velvet Operaも間も無く解散に至ったようです。

さて、Colin Bass参加のボートラのシングル2曲ですが、She Keeps Giving Me These Feelingsはバック・コーラスが美しいフォーク・タッチの曲、There’s a Hole In My PocketはEギターのリズム・カッティングがかっこいいファンキーな曲でした。いずれも作曲はColin FosterではなくDave MacTavishでした。

いや、何が言いたいのかと訝しく思われている方もいるかもしれませんが、バンドの変遷を考えたとき、この最終期のユニットがVelvet Operaを名乗らない可能性も十分有り得たのではないかなと思われます。もしそうなっていたら、BBC Radioでの一曲も含めて、果たしてCD化されてたろうかとなんだか感慨深く思った次第なのでした。